汚い。まるでジャングルのようだった。 「そう言えばあの資料どこやったかな」 僕がパソコンをしていてふと手を伸ばすとそこには見覚えのない草木が生えていた。 「なんだこれは」 よくみると草木は部屋中に満ちていた。壁には蔦が這い、地面からは木々が湧…
羽蟲をゴキジェットで撃退した。 しかし地面に落下した羽蟲は不意に姿を消したのだ。 奴はいる。この空間に、確かに。 僕の中に緊張が走った。 この様な緊張は軍曹以来だった。 軍曹とは皆も知ってのとおり、アシダカ軍曹その人である。 正式名称はアシダカ…
にいって家に帰ってくると呼び鈴が鳴った。 誰だろうと思い出てみると白い髪に白い鎧を来た人間がそこにいた。 「やぁやぁどうも、冬将軍です」 冬将軍はぺこぺこと頭を下げる。 「えらい唐突ですね」 「春なんで」 「暇なんですね」 「そういうわけです」 …
撮った結婚式の写真を頂いた。 集合写真や皆で撮った写真には、何故か頭部に酢こんぶを乗せている人がいた。 その人は傍から見ても明らかに異様で、お洒落な人が多い式場では随分と浮いて見えた。 この様な人はきっと生き辛いに違いない、などと思っていたら…
だった。 結婚したのは昔のバイト先の先輩だった。 非常にお世話になった人だ。 新郎は僕の高校の同級生なのだが、当時僕とはまるで交流がなかった。 一年浪人して大学に入った僕はバイトをし、そこで初めて後輩として知り合ったのだ。 そのためバイト先の後…
らしかった。 GWとはよくわからないが、ここ日本国では人間を一時的に街に増殖させるイベントが存在するらしい。 僕は奇怪な事に香川からやってきたメガネと酒を飲んだ。 メガネとは私の学生時代の友人で、丸い形をしていて中にレンズがはめられている。 彼…
が出た。翌日に蹴った。 上司と話し合い仕事は五月一杯で退職になる事が濃厚になった。 今後の予定はまだ何も決まっていない。 戦況をみて計略を練りに練った結果自らその計略に掛かった軍師の様な私。 これから物凄い事が起こるのではないだろうか。そんな…
に乗っていたら知らない間に眠っていたらしく、全然見知らぬ土地へとたどり着いていた。 降りたその土地には駅以外何もなく、一面草原が広がっていた。 すでに空は暗くなり始めており、太陽の光が地平線の向こう側からぼやけるように浮かび上がって消えてい…
だった。 給料日と言うシステムをよく知らない人に説明すると、 給料日と言うのは会社から施される配給制度であり、 大半の人間が血反吐を吐きながらそれでも仕事を続ける強制力でもある。 人間はこの給料日がないと生きていけない。 給料日になると不思議な…
恋愛ゲームのシナリオプロットを書かされた。転職先の選考課題である。 実在するアイドルをイメージして書いてくださいとか書いてあったので存分に書いてみた。 内容は女性がキュンとする恋愛ゲームと言う事で、何度も僕は愛を囁かれたり、キザな台詞を吐か…
しようと思いいくつかエントリーしてみた。 僕は今電化製品を売るという仕事を行っているのだが、これがあまり面白くない。 職場の人たちが愉快なので続けていたが、そろそろ良い歳だし面白そうな仕事に転職しようと考えた。 何か文章に携れる仕事が良いと思…
だったので一日部屋に居た。 部屋の隅で体育座りをして素数を数えていると夕方になった。 お腹が減っていたのでホットケーキミックスとあまっていたバターでパウンドケーキを作った。 焼き上がって喜び勇んでオーヴンを開けると黒焦げになっていた。 恐らく…
のブログについて解説しようとしたら前回見事に姪の話だけで終わってしまっていた。 我ながら不覚だった。 油断が死を招くこの世界ではもう少ししっかりせねばならない。 とりあえずガスの元栓を閉めることにする。 右下にある関連施設に随時色々掲載してい…
社会に出て五年が経った。 私は二十八になっていた。 二十八といえばもうおっさんである。 自分の事を「おじさんはね」と呼称するようになっていた。 おじさんといえば私には姪がいる。 将来的に彼女の友人を私の嫁としたいのだがそれはもしかすると犯罪なの…