が出た。翌日に蹴った。
上司と話し合い仕事は五月一杯で退職になる事が濃厚になった。
今後の予定はまだ何も決まっていない。
戦況をみて計略を練りに練った結果自らその計略に掛かった軍師の様な私。
これから物凄い事が起こるのではないだろうか。そんな気がする。
帰りしな雨が降っていた。
いやな雨だなぁと思い傘を忘れた僕は上着を頭に被ってどうにか自宅のあるマンションまで戻ってきた。
家の前へとやってくると包丁を持った女が廊下を歩いていた。
身の危険を感じ気配を消して様子を伺っていると彼女は僕の部屋の鍵を開けて中に入って行った。
意を決して女の後を追いドアを開けると部屋の中には誰も居なかった。
天井でうめき声を上げていた私の恋人の姿もなく、床の上には見知らぬ包丁が一本置かれているだけだった。
静かな部屋を見てこの部屋は少し一人で過ごすには広すぎるかな、などと考えた。