いる。
大学時代の部活の友人の結婚式の二次会に出る為だ。
今何回「の」って言ったのだろうか。
会場には久々に会う後輩や友人もいて、なかなかに楽しかった。
良い雰囲気で、僕は変わったようで変わらない皆の姿に、学生時代を思い出して懐かしくなった。
学生時代の僕はと言えばもっととげとげしていた。
いつも殺戮を求めていたし、大学は僕にとって戦場だった。
血に飢えたナイフが渇きを知ることはなく、ふと見るといつも地面には人間の一部が転がっていた。
ある時僕がスナイパーライフルを覗きながらくわえタバコをしていると「何してんですか、先輩」と後輩のみことちゃんが話しかけてきた。
みことちゃんは新兵で、僕の一個下の女の子だった。
「狙いを定めてんのさ。教授をいつでも殺れるようにな」
「なんでそんな簡単に人を殺せちゃうんですか。みんなおかしいよ。この世界も、この戦争も」
「単位を取ればいい。そうすりゃ解放される。殺すのだって、その為だ」
「そんなやり方、絶対間違ってる」
「でも殺らなきゃ殺られるんだ。この世界はそういう風に出来てる」
「もっと、もっと違う解決法があるはずですよ!」
みことちゃんは叫ぶと、どこかへ走って行った。
その姿を見て僕はやれやれと肩をすくめた。若いな。
数ヶ月後、みことちゃんは学校を辞めた。
その手があったか、と思った。