だった。
昨夜は絶食をした。
今朝は白米を食べた。
味のあるものを食べるのは三日ぶりだった。
僕はメンチカツを勝った。
世の中に、これほど美味しいものがあるのかと心底驚いた。
涙を流しながらうめぇうめぇと言いメンチカツを貪った。
会社の人たちが若干引いていた。
「坂君、もうちょっと綺麗に食べたらどうだい?」
上司が焦って声をかけてきた。
仕方なく僕は彼の頭部を掴むと、うめぇうめぇと言って貪った。
別部署の女性社員がきゃあと叫び声を上げたので、それもうめぇうめぇと貪った。
貪りつくすと社内には誰もいなくなった。
アルバイトの女の子や、お世話になった上司達も僕のおなかの中だった。
時計をみると定時だったので僕はそのままタイムカードを押し、家に帰った。
明日も頑張ろうと思う。