日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

仕事が

休みである。

うちの会社は24時間体制のシフト制勤務である。

そのため休みは基本的に平日となる。

 

休みの日は基本的にやる事がない。

平日なのでイベントもなければ、お金もない。

友達もいなければ、出かける用事も無いのである。

 

「困った」

洗濯機に洗剤を投入しながら、僕は頭を抱えた。

 

「こんなに暇をもてあますとは思わなかった……」

掃除機をかけながら僕は首を振った。

 

「今日は一体何をしたら良いんだろう……」

買い物をしながら僕は溜め息をついた。

 

「こう言う時に彼女がいればなぁ」

どこか遠くを見ながら僕はポテトサラダを完成させた。

 

「耐え難い、こんな人生でいいんだろうか……」

シャワーを浴びながら、僕は憂いの表情を浮かべた。

 

「寂しさの周波数……ふごっ」

布団に入り呟きながら僕は眠りについた。

 

気がつけば僕の休みは終わっていた。

おかしい、まるで記憶がない。

誰かに記憶操作されたのではないだろうか。

理解が出来ない。

 

政府の陰謀だと思う。

昇進話

が出た。

入社して9ヶ月、社員になり4ヶ月が経っていた。

早過ぎないか。


僕はこの会社で出世するつもりはなかった。

そうはいっても昇進話を出されるのは悪い気がしない。

仕事はそれなりに頑張っていたし、認めてもらえた気がしたからだ。

やはりこのスーパースターの魅力は誰もが気づいてしまうのだろうか、などと考えた。


そうは言っても昇進話、保留。

オーロラ

が見えるかもしれないと言う噂に踊らされた一日だった。

何でも何ちゃらフレア現象とか言う現象が地球にやってきて、

何やかんやでオーロラが見えるという話だった。

ついでに電波障害も起こるというお話だった。

 

だが肝心のオーロラは見えなかった。

調べたら北海道では見える可能性がある“かも”知れないという事だった。

 

「何だそれは! 詐欺じゃないか! 恋人もいないのに無駄に空を見上げて想いを馳せた今日を返せ!」

 

そんな感じに電話でクレームをつけたかった。

しかしどこに電話をすればいいのか全く分からず断念した。

結局我々はオーロラは見えず、ただただ電波障害を食らうという散々な目に遭ったのだ。

 

関係ないが「“かも”知れない」とは、僕がお世話になっていた歯医者さんで良く使われる単語だった。

保険を張るための言葉なのであった。

僕も今度使おうと思う。