日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

バランスボール

を購入した。

僕は現在暇があればパソコンをする生活だった。

一日座っていて、外に出たかと思ったらビールを飲む生活だった。

絶食したからドアは通れるが、下っ腹のデブさ具合は隠せなかった。

心のデブさは隠せなかった。  
 
 
 
一度街中にいるホームレスの人と対話をした事がある。

「僕とあなた、生産性があるとしたらどちらですかね」

「そりゃわしやろ。空き缶拾ってるし」

「確かに……」

なにか生産性のある事をするべきだと思った。

そこでバランスボールだ。

一日十時間近くパソコンの前にいるならバランスボールを使うと痩せるのではないだろうか。

そして痩せた僕に惚れた女性を抱き、子をなし、家庭を築けば僕の生まれた意味もあるというもの。

なにか重要な見落としをしている気がしないではなかったが、そんな訳で僕はバランスボールを購入した。

現在使い始めて十二時間ほど経つ。

腰の疲労が限界だ。  
 
 
 
何せバランスボールと来たら座っている間は常に重心がずれるので調整せねばならない。

それは常に下腹部の筋肉を使用しているという事と同義なのであった。

あと異様に腰を使ったトレーニングが出来るので女性と性行為した際の腰のトレーニングにもなるのであった。

僕は今日一日性行為時における腰のトレーニングを一時間程無心で行った。

腰の疲労が限界だ。  
 
 
 
それはそうと秋になると同居人がうるさいのでクリームシチューを作った。

味が濃かった。

「秋っぽい味ですね」と言われましたが。

秋の味の概念とは。

色々考えた。