だった。
死んだように眠っていた。
むしろ半分死んでいたのかもしれない。
眠っている最中に死んだ祖母に会った。
元気そうで何より。
何だか書きたいことが山ほどあったのだが半日ほど眠ると全て忘れてしまっていた。
仕方なく前もって取っておいたメモを見るも
『死霊の声をサンプリング』
などとわけの分からないことが書かれていた。
死霊の声といえば引っ越した元カノは元気だろうか。
壁にはまだ彼女が頭をぶつけた不気味な赤黒い染みが残っており、
僕は時折その染みを指でなぞっては優しい笑みを浮かべる事がある。
ゴリラと少女はその染みを恐がっている節があり、
先日帰宅したら染みを消そうと洗剤とスポンジでゴシゴシこすっていた。