日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

新歓

だった。

僕のではなく、数ヶ月遅れで入ってきた女の子二人の為の歓迎会である。

 

僕は粗相をしたくなかったので、お酒を飲む量は控えようと思った。

お酒を飲むと口が軽くなり、言わなくても良い事を言ってしまう。

先日政府から渡された機密文章の件や、僕が東京に来た本当の目的も言ってしまう可能性があった。

世界地図に載っていない新大陸の件や、宇宙人の存在についても話してしまうかも知れない。

そんなことをもし油断して話でもしたら大変だった。

例えば文章なんかにしたら、内密に存在を消されるだろう。

だから決して漏らしてはいけないのである。

決して。

 

ビール四杯とジントニック四杯を飲んで酩酊しながら家に帰った。

雨で濡れた地下鉄の階段でしりもちをつき、お尻をビシャビシャにしながら帰る羽目になった。

家に帰って死んだように眠り、起床してこのブログを書いている。

 

一つだけ分からない事がある。

 

僕の記憶の中に、女性を抱いた記憶があった。

相手が誰かは覚えていないが、使用後のコンドームをティッシュにくるみながら

「これバレたらやばいね」と笑いあった記憶があった。

確かにそんな記憶が僕の脳裏にあるのだが、それが夢なのか現なのかは定かではないのであった。

ただ、残念ながら僕のアリバイは完璧だった。

件の女性の存在が介入する余地はなかった。

しかしそれを認めてしまうと僕は童貞である可能性がぐんと上がってしまうのであった。

そのためこの夢は事実という事にしておこうと思う。

 

夜勤

だった。

出社するとあまり社員がいなかった。

アルバイトも、ほぼ常勤で入ってくれていた人を始め、メインメンバーと呼べる人たちがほぼ存在しなかった。

「今日えらく人が少ないですね」

僕が言うと、皆悲しそうに首を振るだけだった。

 

夜勤の空気は、まるでお通夜だった。

中には泣き出す人もいた。

いなくなった社員の、思い出話を語り出す人もいた。

 

どうしてそんな悲しそうなのだろう、と思っていたが、よくよく考えると先日大半の社員とアルバイトを僕が貪り食ったのだった。

申し訳ないことをした。

に帰って来た。

家と言うのは東京で僕が住んでいるアパートの事である。

夜行バスに乗って京都から東京まで帰って来たのだ。

 

久々の家は随分と閑散としていて、

「あぁ、僕は一人で暮らしていたんだな」

と実感する事が出来た。

 

少し寂しくなったので、「先にシャワー浴びて来いよ」ごっこをした。

「先にシャワー浴びて来いよ」ごっことは、「先にシャワー浴びて来いよ」と空想上の恋人に向かって発言するという遊びの事だ。

僕はこの遊びが好きで、職場で誰とも会話しなかった日はよくこの遊びをした。

調子がよければえなりかずきの物まねを挟みながらするのだった。

 

今日のえなりかずきは少し偉そうな「先にシャワー浴びて来いよ」だった。

明日はもっと優しく「先にシャワー浴びて来いよ」と言おうと思う。