日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

夜勤

だった。

出社するとあまり社員がいなかった。

アルバイトも、ほぼ常勤で入ってくれていた人を始め、メインメンバーと呼べる人たちがほぼ存在しなかった。

「今日えらく人が少ないですね」

僕が言うと、皆悲しそうに首を振るだけだった。

 

夜勤の空気は、まるでお通夜だった。

中には泣き出す人もいた。

いなくなった社員の、思い出話を語り出す人もいた。

 

どうしてそんな悲しそうなのだろう、と思っていたが、よくよく考えると先日大半の社員とアルバイトを僕が貪り食ったのだった。

申し訳ないことをした。