日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

先日

家に帰ってくると彼女の姿がなかった。

いつもなら天井から逆さづりの状態で僕に髪の毛を絡めてきて脅かしてくると言うのに。

一体どうしたのだろうとカレンダーをみてハッとした。

そうか、もう盆が終わったのだ。


盆が終わった部屋は静かなものだった。

机の上に彼女からと思しき手紙が置かれていた。

そこには「呪い殺してやる」と僕への思いを綴ったメッセージがびっしりと書かれていた。

そうか、彼女も逝ってしまったのか。

僕は排水溝に詰まった異様に長い髪の毛の束を眺めながら、すこし肩を落とした。