日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

がよくふる。

最近びしゃびしゃの女の子がよく外に出歩いているらしく、いつも通りびしゃびしゃになって帰ってくる。

仕方ないので僕とゴリラで風呂に入れなければならない。

すっかり暑くなってはいるが夜は冷えるのだ。放っておくと風邪をひいてしまう。

僕が育毛効果を見込んで会得した美容院式マッサージシャンプーを行うと女の子はいつも気持ち良さそうに目を細めるのだった。

僕が彼女の髪を洗っている隙にゴリラがタオルに石鹸を着け細やかな泡を立てるのである。

お風呂から上がって身体を拭くと今度はオカマがドライヤーとブラシを使い彼女の髪を整えるのだ。

「まるで王女の面倒を見る下部のようだ」

僕が言うとゴリラが静かに頷き、「やめてよ! まったく!」とオカマが憤慨する。

そうして揉めている間に疲れたのか少女はいつの間にか眠っているのだ。

僕は彼女をそっとお姫様抱っこするとベランダの固く冷たい床に寝かせる。

一息ついた僕達は過ごしやすい室内でお酒をたしなんだ。

最近リキュールに凝っており、時折ジュースと割っては飲んでいる。

一方で少女は冷たい床の上にほっぺを引っ付けて寝ている。

王女の扱いではないなと思う。