日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

スタジオ

に六時間ほど入った。

僕はドラムをやっているのだが、六時間目には腰が抜けるかと思うくらい痛かった。

バンドメンバーと別れて駅のホームでたっていると背後を通ろうとした人とぶつかって僕の腰がスポンと抜けて地面に転がった。

「どうもすいません」と言ってぶつかった人は僕に腰を拾って渡してくれた。

電車に乗ってボーっとしていると疲れの為かうとうととしてしまった。

気がついたときには目的の駅であり、ドアが閉まろうとしていた。

慌てて電車から出ると妙な違和感が僕を襲った。

ふと見ると電車のドアに僕の腰が挟まっていた。

引っ張ったが僕の腰は取れず、駅員も気づいていないのかそのまま電車は走り去ってしまった。

僕の腰を挟んだまま走り去る電車の姿は割かしシュールだった。

家に帰ると腰がない僕を見た同居人達が驚いて僕の腰があった部分が空洞である事を確かめて遊びだした。

途中びしゃびしゃの少女が僕の腰に自分の腰を当てたときは融合しそうになって危なかった。

僕の腰はその後JRの職員が届けてくれた。

どうやって僕の家を知ったのだろう。

DNA鑑定とかそんなのだろうか。