日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

スーパー

で買い物をしていたところ、先日最終面接に行った企業から連絡があった。

リクルートではなくマイナビから登録しなおして応募して欲しいとのことだった。仲介料が違うらしい。

僕はリクルートではエージェントを介して応募していた。

三年間現場で仕事をして、実務経験を得た後にまた別のところへ転職する予定だった。

そのとき同じようにリクルートエージェントを利用したら過去の選考履歴で一発でばれる危険性があったので断った。

話が巡ってもしリクルートにバレた場合民事訴訟になりかねないので無理です、と。

じゃあ内定を出すのは難しいですね、と言われ電話は切れた。

世知辛い世の中だと思い、家に帰っておかまにこの話をしてみた。


「良かったじゃない、そんな会社に勤めなくて」

おかまは僕の肩を叩いた。

「でも、このままだとウンコ掃除する人になるかもしれない」

「あら、ウンコ掃除する人だって良いじゃない。私好きよ? ウンコ掃除する人。

この世界には誰かがやらなければならない仕事がたくさんあるもの。

死体掃除、ゴミ処理、排泄物処理、お店の店員に農作業。

そういう人たちがたくさんいるから経済は回ってるし、私達は生きていられるの。

偉い人が偉い人であり続けられるのも地べたはいつ配って生きてる人たちのお陰。

作品が評価されるのも、評価されない作品がたくさんあるから。

夜空があるから星が輝くの。分かる?」

「すいません、途中から聞いてませんでした」

僕は鼻をかんだ。