日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

久々に

幼馴染に会った。

会うのは二ヶ月ぶりだった。

それほど久しぶりでもなかったが随分と髪が伸びていて東南アジアあたりで活動する日本のフリーライターみたいになっていた。

聞けば今度東南アジアへ行くという。

僕の勘も捨てたものではないなと思った。


夕方、食べ物を買出しにスーパーへ向かった。

非常に酷い雨だった為、ゴリラには家で留守番するよう伝えた。

帰り道、激しかった雨が一層その勢いを増していた。

傘をさしてはいたが完全には防げず、帰宅した僕は少しぬれてしまっていた。

酷い目にあったよ、と部屋に上がると見覚えのない靴があった。

何と驚いた事にリビングに見覚えのない少女がおり、ゴリラが彼女に質の良いタオルと少し高い紅茶を差し出していた。

彼女はなんと僕の家のベランダでびしょびしょになりながら雨を眺めていたという。

一体何者だというのだろうか。

ゴリラにはあれ程見知らぬ人を勝手に部屋に上げないよう注意していたというのに。

僕は頭を抱えたがゴリラの善意をしかるわけにもいかない。

仕方なく買ってきた食材とあまった麺で焼きそばパーティーをした。

楽しかった。