日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

部屋が

汚い。まるでジャングルのようだった。

「そう言えばあの資料どこやったかな」

僕がパソコンをしていてふと手を伸ばすとそこには見覚えのない草木が生えていた。

「なんだこれは」

よくみると草木は部屋中に満ちていた。壁には蔦が這い、地面からは木々が湧き出、未知の生物の声がする。

ははぁ、僕は気づいた。

これはしばらく掃除をサボっていたからこうなったに違いなかった。

今度掃除をしようと思う。

僕の決意を悟ったのかいつの間にか僕の横にいたゴリラも頷いていた。

彼は勝手に部屋に上がった事を気に病んでいたのか、バツが悪そうにバナナを差し出してきた。

僕は体質上バナナが食べられないので返品すると、彼は残念そうな顔をした。

とりあえず今度草刈り鎌を買わねば。

それはそうと趣味で行ったプリン作りに失敗した。

卵と牛乳と砂糖を混ぜて蒸すだけの作業で何故失敗するのかが理解できなかった。

僕が失敗したプリンを捨てているとゴリラが悲しそうな顔をした。

「そう落ち込むなよ。次は上手くやるさ」

僕が微笑むとゴリラは緩やかに笑みを浮かべた。