日常と虚構のワルツ

嘘時々ホント

結婚式

だった。

結婚したのは昔のバイト先の先輩だった。

非常にお世話になった人だ。

新郎は僕の高校の同級生なのだが、当時僕とはまるで交流がなかった。

一年浪人して大学に入った僕はバイトをし、そこで初めて後輩として知り合ったのだ。

そのためバイト先の後輩として参加したにもかかわらず大して交流のない高校の同級生がたくさんいるという良く分からない現象に遭遇した。

いい経験になるな、と思いお茶を濁した。


披露宴がなかった為、挙式と二次会に参加した。

催しで開催されたビンゴゲームで景品の3DSを狙っていた先輩のMさんが

「何のために今日来たんだよ!」と新郎の前で叫んでいるのが印象的だった。

3DSを逃したMさんは参加費の元を取る為死ぬほどケーキを食べまくったり

こちらにこっそり会釈してくれている新郎を無視してビールを飲んだり

隣の女の子の皿に乗っているケーキを無断で食べたり

フォークでフルーツを奪い合ったり

会場の外を眺めては「木がキレイ」とかよく分からない事を言っていた。

Mさんは最終的に靴擦れで足を引きずり四十五度くらい傾いて帰っていった。

ネトゲよりも自由度が高い。


帰りしなにご祝儀の話になった。

僕は祝儀に三万円包んだ。

世話になったのだから社会人のたしなみとして当然だろう。

明日から一日250円の生活だが致し方ない。

しかしその後聞いたところによると披露宴がない場合祝儀は一万円でいいらしい。

なるほど。

次の結婚式は欠席しよう。